Mattermost 記事まとめ: https://kaakaa.github.io/blog/tags/mattermost/
はじめに
2019/8/16 に Mattermost v5.14.0 がリリースされました。 その後すぐに v5.14.1 のリリースが予告され、2019/8/28 にキーボードアクセシビリティのバグ修正を含む v5.14.1 がリリースされました。 この記事では、アップデートの内容について簡単に紹介していきます。
変更内容の詳細については公式のリリースを確認してください。
- Mattermost 5.14: Accessibility improvements, enhanced Jira integration, LDAP group sync upgrade, and more - Mattermost - Open Source, On-Prem or Private Cloud Messaging
- Mattermost 5.14.1 released - Mattermost - Open Source, On-Prem or Private Cloud Messaging
- Mattermost Changelog — Mattermost 5.14 documentation
アップデート内容
アクセシビリティの改善
Mattermost の画面上をキーボードで移動できるようになりました。
デスクトップアプリ上では F6
、Web ブラウザ上では Ctrl + F6
で、サイドバー、ヘッダー、投稿表示部分などにカーソルを移動することができます。
また、TAB
ボタンで画面上のボタンやリンクにカーソルを移動することができ、ENTER
キーで操作することができます。
また、スクリーンリーダーとの相性がさらに良くなりました。
視覚的な障碍のある方にも Mattermost を効果的に利用してもらえるよう、ボタンやリンク、アプリ表示部分の読み上げがより正確になりました。
詳しくは Keyboard Accessibility — Mattermost 5.14 documentation を参照ください。
Mattermost は米国リハビリテーション法第 508 条の遵守に取り組んでおり、継続的にアクセシビリティの改善を行なっています。 Voluntary Product Accessibility Template (VPAT) — Mattermost 5.14 documentation
JIRA 連携機能の改善
Mattermost に同梱されている JIRA プラグインがアップデートされました。 より効率的に作業を行える多くの機能が追加されています。
- 全ての更新、割り当て、コメントを自動で通知する専用の JIRA チャンネル
- JIRA の情報を一箇所に集めることで、全ての更新を把握するためにメールに頼る必要が無くなります
- ある JIRA プロジェクトから特定の Mattermost チャンネルに通知を簡単に送信する機能
- チャンネル管理者は、JIRA プロジェクトやイベントに基づいてチャンネルに送信される通知を設定できルため、手動で WebHook を設定する必要が無くなります
- JIRA の Issue を作成、管理、閲覧でき、通知の設定を管理できるスラッシュコマンド
詳しくは mattermost/mattermost-plugin-jira: JIRA plugin for Mattermost 🔌 を参照してください。
LDAP グループ管理 (E10/E20)
LDAP グループ同期機能によるチームとチャンネルの管理に関して新たなオプションが追加されました。
今回追加されたオプションでは、Mattermost v5.12 で追加された CLI のグループコマンドに加え、システムコンソールに追加された新しいチーム/チャンネルのページから LDAP グループ同期によるメンバーシップの管理を行うことができるようになりました。
詳しくは Using AD/LDAP Synchronized Groups to Manage Team or Private Channel Membership — Mattermost 5.14 documentation を参照してください。
未読メッセージが見つけやすく
チャンネルを開いたときに、もっとも古い未読メッセージが自動で表示されるようになりました。これにより未読メッセージを追うために投稿を遡ってスクロールする必要が無くなりました。
その他
IE サポートの廃止
2019/10/16 リリース予定の Mattermost v5.16 から Internet Explorer のサポートが廃止されます。 End of support for Internet Explorer 11 coming in October
Mattermost がサポートしているブラウザは Software and Hardware Requirements から確認できます。
破壊的変更
- 内向き/外向きのウェブフック編集画面で、他のユーザーが作成したウェブフックを見ることができなくなりました。システム管理者は全てのウェブフックを見ることができます
- Google Single Sign-On (E20) の機能を利用している場合、ログインに利用するサービスが Google+ から Google People に変更されたため、設定の変更が必要です。詳しくは Google Single Sign-On (E20) を参照してください。
インストール済みプラグインの追加
Jenkins, Antivirus, GitLab のプラグインがデフォルトインストール済みプラグインとして追加されました。 それぞれのプラグインの機能については下記を参照してください。
- mattermost/mattermost-plugin-jenkins: A Mattermost plugin to interact with Jenkins
- mattermost/mattermost-plugin-antivirus: Antivirus plugin for scanning files uploaded to Mattermost
- mattermost/mattermost-plugin-gitlab: GitLab plugin for Mattermost
ウェブフック投稿のアイコンに絵文字
内向きのウェブフックのペイロードに icon_emoji
というフィールドが追加され、ここに絵文字名を指定してウェブフックを飛ばすと、ウェブフックにより作成された投稿のプロフィール画像に絵文字が表示されるようになりました。
curl -v -XPOST -H 'Content-Type: application/json' -d '{"text": "hello", "icon_emoji":"+1"}' https://example.com:8065/hooks/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
↑ のようなリクエストを送ると ↓ のような投稿が作成されます。
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misc
以下、最近あまり追えてないですが Mattermost チームでの気になる動きについて紹介します。
Plugin Marketplace
最近、新しいバージョンが増えるごとに Mattermost 本体に同梱されるプラグインが増えるなど、Mattermost チームは Plugin 機能に力を入れているようです。 その中の大きな動きの一つとして、Mattermost が Plugin Marketplace の開設があります。 https://github.com/mattermost/mattermost-marketplace
全容はわかりませんが、システムコンソール画面でプラグインの URL を指定するだけで、プラグインをインストールできる仕組みを開発しているようです。(一時期 master ブランチから起動すると画面が見れましたが、今は見れなくなっているようです)
Private Cloud (k8s)
もう一つの気になる動きとして、Mattermost コアチームのチャットで Private Cloud というチャンネルが立っており、k8s 関係のツールの開発が進んでいるようです。
- mattermost/mattermost-operator: Mattermost Operator for Kubernetes
- mattermost/mattermost-helm: Mattermost Helm charts for Kubernetes
こちらも全容は掴めておりませんが、OSS プロジェクトらしくドキュメントが公開されているため、興味のある方はそちらを参照してください。 https://drive.google.com/drive/folders/1iayrTYRjQXpdqUAB4pbrnn9QQh_g8oNC
おわりに
次のv5.15
のリリースは 2019/9/16(Mon)を予定しています。
そして機能追加が行われるv5.16
は恐らく 2019/10/16(Wed)のリリースになるかと思います。
Mattermost 日本語(@mattermost_jp)さん | Twitter で Mattermost に関する日本語の情報を提供しています。