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本記事について

Mattermostの統合機能アドベントカレンダーの第4日目の記事です。

本記事では、Mattermostから外部アプリケーションへ投稿内容を送信できるOutgoing WebHook(外向きのウェブフック)について紹介します。

Outgoing WebHook概要

Outgoing WebHookは、Mattermostに投稿が作成された時にその投稿情報を外部アプリケーションへ送信するための機能です。

overview

Outgoing WebHookを使うことで、Mattermostで発生した投稿イベントを外部アプリケーションに通知することができます。

Outgoing WebHookに関する公式ドキュメントは下記になります。

一つ目の公式ドキュメントはOutgoing WebHookの概要について記述しており、二つ目のDeveloper Documentにはより細かい開発者向けの情報が書かれています。

設定

Outgoing WebHookを利用するには、システムコンソール > 統合機能管理 > 外向きのウェブフックを有効にする の設定が有効になっている必要があります。

system console

また、統合機能はデフォルトではシステム管理者とチーム管理者しか作成することができませんが、誰でも作成できるようにしたい場合、システムコンソール > 統合機能管理 > 統合機能の管理を管理者のみに制限するの設定を無効してください。

作成

メインメニュー > 統合機能から統合機能の画面を開き、

main menu

外向きのウェブフック > 外向きのウェブフックを追加するから、新たなOutgoing WebHookを追加します。

menu

ウェブフックの作成画面で入力する情報は下記の通りです。

outgoing webhook

Outgoing WebHookの作成が完了すると、トークンが表示されます。このトークンは、外部アプリケーションに対して送信されるリクエストに含まれる値であり、リクエストがMattermostから送信されたことを検証するために使われます。

complete

実行

Outgoing WebHookを実行する前に、リクエスト送信先サーバーを立ち上げておく必要があります。 今回は、送信されたリクエストのJSONボディをログ出力する簡単なサーバーを立ち上げておきます。

package main

import (
	"encoding/json"
	"io/ioutil"
	"log"
	"net/http"

	"github.com/mattermost/mattermost-server/v5/model"
)

func main() {
	http.HandleFunc("/outgoing", func(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
		defer r.Body.Close()
		b, _ := ioutil.ReadAll(r.Body)
		// (1) `model.OutgoingWebhookPayload`によるリクエストの読み出し
		var payload model.OutgoingWebhookPayload
		json.Unmarshal(b, &payload)

    	log.Printf("Request: %#v", payload)
  })
  
	http.ListenAndServe(":8080", nil)
}

(1) Outgoing WebHookにより送信されるJSONデータは、Mattermost本体の model.OutgoingWebhookPayload の形式で送信されるため、この構造体を利用してデータを変換しています。

上記コードをmain.goとして保存し、go run mainを実行してサーバーを立ち上げます。MattermostサーバーとOutgoing WebHookリクエスト受付用のサーバを同じマシン上で起動し、Outgoing WebHook作成時のコールバックURLlocalhostのサーバーを指定している場合、システムコンソール > 開発者 > 信頼されていない内部接続を許可するlocalhostを追加しておく必要があります。

config allow internal

上記の設定が完了した後、Outgoing WebHook作成時にチャンネルに指定したチャンネルに投稿を作成すると、

trigger

Outgoing WebHookがサーバに送信され、下記のようなリクエストの情報がコンソールに出力されます。

$ go run main.go 
2020/11/03 00:10:30 Request: model.OutgoingWebhookPayload{Token:"9mgpebi9a7bq3qjedd1kt6mwtr", TeamId:"9d1xf4gg7fnibxs8fdw6fo5fre", TeamDomain:"test", ChannelId:"9eexapjuabd89fzbwfajdqhwta", ChannelName:"outgoing-webhook", Timestamp:1604329830865, UserId:"87x93uo8pfnzdro9ktcmobpa1r", UserName:"kaakaa", PostId:"au6tf4hoebyeffiaw9h1w6rpaw", Text:"こんにちは、テスト。", TriggerWord:"こんにちは、", FileIds:""}

リクエストに含まれるトークンの値(Token:"9mgpebi9a7bq3qjedd1kt6mwtr")がOutgoing WebHook作成時に表示されていたトークンと同じものであることがわかります。

このように、Mattermostの投稿情報を外部アプリケーションへ送信することができます。外部アプリケーション側で、送信されたリクエストに応じた処理を実装することで、Mattermostから処理を起動したりすることができます。また、ウェブフックを受け取った外部アプリケーションから、再びMattermostへ投稿を作成したりすることもできますが、その辺りは明日の記事で紹介します。

さいごに

本日は、Outgoing WebHookの基本的な使い方について紹介しました。 明日は、Outgoing WebHookに反応して外部アプリケーションからMattermostへ投稿を作成する方法について紹介します。

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