Mattermost 記事まとめ: https://blog.kaakaa.dev/tags/mattermost/

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はじめに

2022/03/16 に Mattermost の新しいバージョン v6.5.0 がリリースされました。

本記事は、個人的に気になった新しい機能などを動かしてみることを目的としています。変更内容の詳細については公式のリリースを確認してください。

アップグレード時の注意事項

CLIコマンドmattermost versionの実行結果にデータベースのバージョンが含まれなくなりました（今までのバージョンでは実行結果にDB Version: 6.5.0のようにDBのバージョンも出力されていました）。また、mattermost versionがDBとのやり取りを行わなくなり、DBマイグレーションも実行しなくなったため、DBマイグレーションを行うための新たなコマンド mattermost db migrateが追加されました。(PR)

各機能の見出し前の記号は、その機能が利用可能なエディションを表しています。

見出しの前に何もない場合、Starter(OSS 版)でも利用可能な機能です。

また、各見出しにPrefixとしてMattermostの機能分類を記述しています。

Channels: 従来のチャット機能
Playbook: Mattermost v6.0から追加されたインシデント管理機能
Boards: Mattermost v6.0から追加されたKanbanボード機能 (Focalboard)

(Enterprise/Professional) Channels: カスタムグループ (ベータ版)

複数のユーザーにメンションを送信する際に利用できるカスタムグループを作成できるようになりました。例えば、developerというグループを作成し、そのグループにユーザーを追加しておくと、@developerというメンションで、グループ内の全員にメンションすることができます。　
今までのバージョンでもAD/LDAP連携を設定している場合はLDAP上で設定されたグループに対してメンションを送る機能はありましたが、今回追加されたカスタムグループの機能によりAD/LDAP連携を行なっていなくてもグループメンションが利用できるようになりました。

カスタムグループの作成はMattermost UIのProduct Menuから行うことができます。操作概要については、公式リリースブログの Channels: Custom groups (Beta) セクションの動画を参照ください。

Mattermost v6.5 is now available - Upgrade your deployment today

また、スラッシュコマンド/inviteで、ユーザーをグループに追加することもできます。

カスタムグループ機能について、詳しくは以下のドキュメントを参照ください。

Manage Custom Groups

Channels: チーム横断的なチャンネル移動が可能に

Ctrl + k のショートカットで開くことができるチャンネル検索ダイアログで、他のチームのチャンネルも横断的に検索できるようになりました。今までのバージョンでは、チャンネル検索ダイアログで検索できるチャンネルは現在アクセスしているチームのチャンネルのみに限定されていましたが、今回のバージョンより参加したことのあるチャンネルであればチームに関係なく検索することができるようになります。

channels-cross-team

検索結果のチャンネル名の右側にチーム名が表示されるため、複数のチームに同名のチャンネルが存在しても見分けることができます。

Playbooks: 複製、インポート、エクスポート

既存のPlaybookを複製することができるようになりました。

また、Playbook内容をJSON形式でエクスポートできるようになり、Playbookのバックアップや、インポート機能と組み合わせて別のMattermostインスタンスへのPlaybookの移行などが実施できるようになりました。

playbooks-duplicate

複製メニューをクリックすると、Copy of ${Playbook名} という名前のPlaybookが新たに作成されます。

Boards: 共有機能のUI改善

Boardsの共有リンクを取得する際のUIが改善されました。

まず、Board画面に共有（Share）ボタンが表示されるようになりました。（今までは、オプションメニュー内に表示されていました）

また、リンクを生成する際に、Mattermostユーザー向けの内部リンクを作成する画面と、MattermostユーザーアカウントがなくてもBoardの内容が確認できる読取専用の公開リンクを作成する画面が別画面になりました。

Boards: チャンネルイントロにBoardへのリンクが表示されるように

チャンネル作成時に一番最初に表示されるテキストにBoardへのリンクが含まれるようになりました。

boards-intro-link

Boards: インポート機能のドキュメントへのリンク

Trello・Jira・NotionなどのツールからBoardsへデータをインポートする際の手順に関するドキュメントへのリンクが追加されました。
Boardsの設定メニューから表示することができます。

boards-import-link

他ツールからBoardsへのインポート機能について、詳しくは以下のリンク先を参照してください。

Import your data

Integration: 統合機能

Mattermostと他機能を連携させる統合機能について、いくつかのアップデートがあります。

Atlassian Bitbucket Cloud Plugin

Atlassian社のGitリポジトリ管理ツールであるBitbuket CloudとMattermostを連携させる統合機能がリリースされています。

毎日Mattermostへログインした際にBitbucket　Cloud内で行われた重要な活動が通知される機能や、Bitbucket Cloud内で自分がメンションされたことをMattermostのDMで通知してくれる機能などが利用できるようになります。また、PRのリストが常にMattermostのサイドバーに表示されるようになります。

インストール方法など、詳しくは以下のリンク先を参照してください。
Mattermost/Bitbucket Plugin - BitBucket Plugin

Configuration Wizard

いくつかの統合機能は、インストール後にセットアップ手順を実行する必要があります。いくつかの統合機能について、このセットアップ手順がプラグインインストール時にMattermostのDMとして投稿されるようになりました。これにより、外部サイトを参照しながらセットアップを行う必要がなくなります。(Mattermost GitHub Plugin v2.1.0で試してみましたが、うまく動作しませんでした)

GitHub Plugin v2.1

Mattermost GitHub Plugin v2.1がリリースされました。

MattermostのメッセージからGitHubにIssueを作成する際に利用できる Create Issue in GitHub メニューなどが追加されています。

integrations-github

変更点について詳しくはリリースノートを参照してください。

Release v2.1.0 · mattermost/mattermost-plugin-github

Platform

Mattermostインスタンス全体 (Platform) についても、いくつか更新点があります。

ワークスペースの最適化

運用中のMattermostインスタンスが最適な設定で運用されているかどうかを判定し、最適でない場合にどのように変更すべきかを提案するダッシュボード機能が追加されました。 システムコンソール > ワークスペースの最適化から確認することができます。（手元の環境ではメニューが表示されませんでした…）

詳しくは、以下の公式ドキュメントを参照してください。 Optimize Your Mattermost Workspace