Mattermost Focalboard Plugin

Mattermost社が開発しているNotion/TrelloライクなKanbanツールであるFocalboardプロジェクトに、Mattermostと連携するためのプラグインが追加されたようなので動かしてみました。

Focalboardについては以下にまとめています。 NotionのようなUIのTrelloっぽいKanbanツールのOSSの Focalboard を触ってみた

Set up

Mattermost

:::message alert 現在公開されているMattermost Focalboard Plugin v0.6.7 は、2021/06/16リリース予定のMattermost v5.36以降のバージョンでないと動作しません。Mattermost v5.36リリース前に試すには、開発者用のMattermost環境を自分で構築する必要があります。Developer Setup
:::

:::message alert 以下の記述は、Mattermost v5.36が公開された後の手順を書いているものであり、記事公開時点では動作しないことに注意してください。 :::

公式のDocker Composeを使いMattermostも起動しておきます。
mattermost/mattermost-docker: Dockerfile for mattermost in production

上記リポジトリをCloneした後、Mattermostのバージョンを app/Dockerfile から指定します。
(記事執筆時点ではv5.36.0は公開されていないため、以下の設定ではDocker Compose起動時にエラーとなるはずです。v5.36.0が公開される2021/06/16以降に実行するか、Developer Setupを参考に開発者環境でMattermostを起動する必要があります。)

...
-ARG MM_VERSION=5.31.0
+ARG MM_VERSION=5.36.0
...

また、FocalboardプラグインをMattermostのシステムコンソールからアップロードするための設定として、Docker Compose内のappサービスの環境変数にMM_PLUGINSETTINGS_ENABLEUPLOADS=trueを追加しておきます。これを設定しておかないと、画面上からプラグインをアップロードできません。また、Mattermostの起動ポートを8065に書き換えています。

version: "3"

services:
  ...
  app:
    ...
    environment:
      ...
      # in case your config is not in default location
      #- MM_CONFIG=/mattermost/config/config.json
+      - MM_PLUGINSETTINGS_ENABLEUPLOADS=true
  web:
    build: web
    ports:
-      - "80:8080"
-      - "443:8443"
+      - "8065:8080"
+      - "8443:8443"
    ...

上記を書き換えたあと、Docker Composeを起動します。

$ docker-compose up -d --build

起動後、ブラウザからhttp://localhost:8065にアクセスし、Adminユーザー・チームをそれぞれ作成しておきます。

Mattermost Focalboard Pluginの起動

Pluginの入手

以下のページからMattermost Focalboard Plugin (mattermost-plugin-focalboard.tar.gz) をダウンロードします。
Release Plugin v0.6.7 · mattermost/focalboard

Pluginのアップロード

Mattermostの System Console > PLUGINS (BETA) > Plugin Management > Upload Plugin から、先ほどダウンロードしたPluginファイルをアップロードします。

Mattermost Main Menu

Mattermost Upload Plugin

Pluginのアップロードが成功すると、System Console > PLUGINS (BETA) > Plugin Management > Installed PluginFocalboard プラグインが表示されます。
Enable リンクをクリックし、Pluginを起動します。

Mattermost Enable Plugin

Pluginの利用

Focalboard Plugin が有効化されると、Mattermostの各チャンネルのヘッダー部分にFocalboardのアイコンが表示されるようになります。

Mattermost Focalboard Icon

このアイコンをクリックすると、Focalboardが別タブとして開きFocalboardが利用できるようになります。

Focalboard

その後の操作はFocalboardと一緒です。

Mattermost Focalboard Pluginの特徴

チャンネルごとにBoardが存在する

Mattermost Focalboard Pluginでは、チャンネルごとに別々のBoardが作成されるようです。
それぞれのチャンネルごとにBoardを管理できるのは便利な一方、Focalboardが運用されているチャンネルと運用されていないチャンネルがBoardにアクセスしてみないと分からないと言うのが課題になりそうです。

ユーザー情報をMattermostと共有している

Mattermost Pluginとして起動したFocalboardでは、ユーザー情報をMattermostと共有しているため、Focalboardでのアカウント作成やログインを行う必要がありません。 逆に言うと、この方で立てたFocalboardにアクセスするには、Mattermostのアカウントを作成する必要があります。

まとめ

Focalboard用のサーバーを立てる必要なく、Mattermostインスタンス内でFocalboardを動作させることができるMattermost Focalboard Pluginを試してみました。 Focalboard専用のサーバーを立てるのと比べ、ユーザーアカウントの作成が不要なため利用しやすくなりそうです。また、Mattermostのチャンネルからアクセスしやすくなるのも便利そうです。

Focalboard上のイベントをMattermostに通知する機能などはまだないようですが、今後はそう言う機能も追加されていくのかなと思います。

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